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嵐『untitled』を徹底解明!曲を聴けばタイトルの意図が分かる?

嵐『untitled』を徹底解明!曲を聴けばタイトルの意図が分かる?

イントロの助走もタメもなく、今ここで火蓋が切って落とされたようにオープニングナンバーの“Green Light”は性急に走り出す。前のめりのビートに乗ってEDM、ジャズ、ファンクと近年の嵐のサウンドバラエティを片っ端から取り込んでいくミクスチャーソング。しかもアウトロの余韻が醒める間もなく続く“つなぐ”へとバトンタッチだ。そして激渋ブルーズギターとゴージャスなストリングスが並走し、思いっきり過剰な膨張を続けながらエンディングを迎えるこの曲も、またもや駆け足で3曲目へ、その名も“「未完」”へと雪崩れ込んでいく。

そんな冒頭の3曲を聴いた段階で、嵐がこのニューアルバムでやりたかったこと、本作のタイトルを『「untitled」』とした意図が早くも理解できるのではないだろうか。ちなみに『「untitled」』はカッコの重複誤記ではない。「」まで含めて正式のタイトルだ。つまり本作はその名も「無題」。そして冒頭3曲が示したように、この性急で、過剰で、エクレクティックな音の洪水は、名前を冠する前の姿、敢えて未完成の何かであることを、本作の「無題」が逆説的に物語っている。

3曲目の“「未完」”は、まさにそんな『「untitled」』の核心に迫ったナンバーだ。ブラスセクションのオープニングから転調を幾度も繰り返し、エレクトロ、クラシック、ミュージカルにヒップホップ、そしてR&Bにと、ここには嵐の培ってきたサウンドのおよそすべてがある。しかも、そのすべては「嵐の歴史」として博物館の陳列よろしく並べられたものではなく、今まさに疾走中の彼らの道中、過去から未来へと流れゆく景色のように動的なものだ。《暗闇から光/“僕らが拓いていく時代”/なんてあの頃はいきがり/いま、夢の先の未来/後ろなんて見ない/ただそう前だけしか見ない/目の前には誰もいない/その未来自分次第》と紡がれるこの曲の櫻井翔のラップも、『「untitled」』のコンセプトの宣言になっている。

 



2010年代後半、世界的に見てもポップミュージックはアルバムらしいアルバムを必要としなくなっている。そんな中で日本一のアイドル、日本一のポップアイコンである嵐がここまでアルバムらしいアルバムを作ったことは画期的なのではないか。アルバムコンセプトよりもポップソング集としての楽しさや精度を追求した前作『Are You Happy?』とは対照的なニューアルバムだと思うし、本作と同じくらいアルバムらしいアルバムであり、究極のコンセプトアルバムであった前々作『Japonism』とは、コンセプトの質がまったく異なるのだ。『Japonism』は「和」という明確なテーマを掲げて攻めた末のパーフェクトな「完成形」だったわけで、未完で動的、そして今まさに「攻めている」最中の彼らを活写した『「untitled」』とは、目指しているゴールが違うと言えばいいだろうか。

“「未完」”の圧をいったん抜くように軽やかなハウスビートが踊る“Sugar”や、リオ・オリンピックの熱い夏を思い出させる“Power of the Paradise”をはじめ、ラウドロック(“風雲”)やビッグバンドジャズ(“I’ll be there”)、アダルトコンテンポラリー(“抱擁”)と、本作のバラエティはその後も収束することなく、ますますカラフルに飛散していく。


デビュー18周年を迎えた嵐には、幾度か「攻め」のタイミングがあった。たとえば2000年代、ブレイクの途上であった嵐の攻めは《外野の言葉はシカトする》(“Attack it!”)なる一節に象徴されるように、自分たち5人と嵐のファン以外の世間を「外野」と定義した、オルタナティブなスタイルだった。でも2010年代、国民的アイドルとなって久しい彼らは究極のメインストリームであり、外野と呼ぶべき世間はもはや存在しないと言っていい。だからこそ『「untitled」』で嵐がファイティングポーズを取る相手は、他でもない嵐自身だし、その勝敗は無題として彼ら自身の未来に預けられている。本作を聴いて「新章、来たり!」と猛烈に感じるのはそれゆえなのだ。

そんな『「untitled」』にあってちょっと異質なナンバーが“Pray”かもしれない。前述のように前進し続ける、攻め続ける彼らがふと立ち止まった瞬間であり、手に入れたものと失ったもの、その両方を振り返るメランコリーがたしかにここにはある。個々の素が垣間見える“Pray”の5人の声の近さに加え、ゴスペル調の女性コーラスをフィーチャーした“光”にも、後半にいくに従って徐々に本作がモードチェンジしていく過程が感じられる。

そして、徐々にモードチェンジしていった『「untitled」』の行きつく先が、圧巻の“Song for you”だ。長尺の組曲としてリリース前から話題になっていたこの曲は、組曲と呼ぶよりも映画のサウンドトラック、いや、もはや短編映画そのものと呼んでも過言ではない、物語がぎっしり詰まった10分強だ。オーケストラをベースに次々と移り変わっていくサウンドも凄いが、さらに注目すべきが歌詞だろう。何故ならそれは、ハワイでのデビュー(《聞き慣れないネーミング/突然乗り込んだCruiser》)に端を発する、嵐の歴史そのものを物語っている歌詞だからだ。国立競技場でのライブ(《見上げる無数のバルーンが/都会の夜空を翔けてゆく》)や、15周年で再びハワイに降り立った「ARASHI BLAST in Hawaii」(《そして、もう一度 降り立ったこの楽園(しま:ルビ)で》)など、彼らの節目節目の記憶が散りばめられたそれは、嵐の18年を追ってきたファンへの感謝のメッセージのようでもある。

嵐が本作で「無題」、「未完」と定義した今と未来は、かくも長い長い過去の物語と地続きであったということを、“Song for you”はまるで壮大な種明かしのように歌い上げ、過去と今、そして未来を一気に繋げてしまう。これほどアルバムのエンディングに相応しい嵐曲も滅多にないと思うし、この壮大な物語を、超絶コンセプチュアルでチャレンジングな長尺ナンバーをきたるコンサートツアーでどう表現するのか、今から気になって仕方がないのだ。

 



『「untitled」』は通常盤のCD2に収録されているユニット曲も、本編に劣らず必聴だ。嵐にとって久々のユニット曲は全4曲で、1曲目の“バズりNIGHT”は相葉、大野、櫻井のトリオ曲。タイトルからもなんとなく予想できるとおり思いっきりトランスなディスコチューンで、どこか昭和歌謡なメロディとの相乗効果も絶大、3人のワイワイガヤガヤした楽屋ノリがそのまま楽曲のリズムを生んでいるオールドスクールで愉快なナンバーだ。対する“夜の影”は松本、二宮、大野によるトリオ曲。これが“バズりNIGHT”とは真逆の思いっきりトレンディなエレクトロR&Bチューンで、ヴェルヴェットな質感を持つ声が最大限生かされた大野のボーカルを筆頭に、3人の歌声がセンシティブなニュアンスで折り重なっていく佳曲。やんちゃな男子ノリとアダルトな色気のコントラストが最高の3人+3人の2曲だ。

3曲目は相葉、二宮のコンビ曲“UB”。この曲はとにかく歌詞に注目。ジャニーズJr.の時代から、嵐の中でもとりわけ長い付き合いである相葉と二宮が、交互に互いへの気持ちを明かしていく“UB”は、「何も言わなくてもわかり合える」ふたりが敢えてここで言葉にした、そんな光景にぐっとくること請け合いのナンバーなのだ。そしてユニット曲のラストは、松本と櫻井によるコンビ曲“Come Back”。“UB”が相葉と二宮のパーソナルな関係性から生まれた楽曲だったとしたら、“Come Back”は櫻井のラップ詞をバトルのように歌い繋ぐふたりが嵐の看板を高く掲げて鼓舞する、『「untitled」』のテーマにも通じる攻めの楽曲になっている。

そして本当のラストはボーナストラックの“カンパイ・ソング”。これがもう『「untitled」』をめぐる深読みの数々を一瞬で吹き飛ばすような痛快無比のスカパンクナンバーで、 “ファイトソング”の続編(?)的なポジションでコンサートのアンコールの定番曲になりそう。今からコール&レスポンスの準備を!

日本一のポップアイコン・嵐が18年の歴史のすべてを注ぎ込んだ究極のコンセプトアルバム『「untitled」』を徹底解明 (rockinon.com) - Yahoo!ニュース

 

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