津軽鉄道嘉瀬駅にSMAPファンが殺到！目当ては慎吾列車

青森県五所川原市金木町の津軽鉄道嘉瀬駅に、昨年末解散した人気グループ「SMAP」のファンが続々と詰め掛けている。お目当ては、メンバーの香取慎吾さん(40)がペイントした列車「キャンバス号（通称・慎吾列車）」。訪れたファンにメッセージを残してもらおうと、津鉄が待合室に置いた交流ノートは書き込みですぐに埋まり、4冊目に入ろうとしている。ホーム1本の小さな無人駅が、ファンの「聖地」になりつつある。

　SMAPのデビュー26周年目に当たる9日。「走れメロス号」が駅に到着するたびに女性客がどっと降り立ち、慎吾列車を取り囲んでカメラを向けていた。札幌市から飛行機とレンタカーを乗り継いで訪れた公務員女性(37)は「こんなに間近で（慎吾列車を）見られるなんて」と感激。交流ノートに「パワーをもらいました」と書き込んだ。

　香取さんは1997年、テレビ番組の企画で、地元の児童たちと一緒に津鉄の営業車両に絵を描いた。

　車両はその後、廃車となり嘉瀬駅に置かれ、長年の風雨で塗装がはがれるなど激しく劣化。20年の節目となる今年、津鉄に乗務する津軽半島観光アテンダントの小枝美知子さん(38)が「列車を生き返らせてほしい」と別番組の企画に応募したのがきっかけで今年5月、香取さんが再訪。3日間で新たに塗り替える様子が全国放送された。

　津鉄によると、6月の放送と前後して全国からSMAPファンが次々と駅を訪ねてくるようになった。待合室のノートには「まるで慎吾くんがここにいるみたい」「笑顔になれた」などの書き込みがびっしり。「地元民」と名乗るファンは「もっともっと見に来てけれ～」とつづった。

　短文投稿サイトのツイッターには、香取さんが車両に描いた絵や言葉に加えて、交流ノートの書き込みを撮影した写真も投稿され、ファンの間で「SMAP愛にあふれている」「読むだけで心が温かくなった」などと話題になっている。

　ツイッター上では、駅を訪問後、立佞武多（たちねぷた）の館や斜陽館など周辺の名所を巡ったというファンも見られ、慎吾列車が新たな観光振興につながる－との期待も出ている。

　小枝さんによると、香取さんは番組のロケ中、「列車が地域の活性化に役立てばうれしい」と話していたといい、「これだけ多くの人が来てくれるのは香取さんのおかげ。全国から訪れるファンをもてなし、地元の人たちと一緒に慎吾列車を盛り上げていきたい」と力を込めた。